窓 総合誌俳句鑑賞           古谷空色

 「俳句」5月号/「俳句研究」5月号


     寒晴や鼈甲飴は立てて売る    草深昌子

 なるほど鼈甲飴は立てて売られている。林檎飴も立てて売るのではなどと意地悪に読んでみたりもしたのだが、氷の上に寝かされていることもある。「常に」立っているのは鼈甲飴だ。寒晴と鼈甲飴と、k音の透明感が響き合う。

  (平成19年7月号「澤」所収)
                          
by masakokusa | 2007-07-03 17:14 | 昌子作品の論評
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