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竹の秋風 草深昌子
髭のちよとうぐひす餅にありさうな
木々高く藪の大きく氷かな
蛭子てふ社のあはれ日向ぼこ
辞書入れて巾着提げて梅ひらく
料峭や桶の一つが石の上
春日傘そこを行くかに丘を行く
鳥の恋はじまる崖のそそりたつ
てらてらと磐石にして寝釈迦なる
張り替ふる気のなき障子一の午
雪解けて石に穴また幹に穴
その道は石に尽きたり蜷一つ
親指の腹もてさぐる種袋
耕人のフアッションモデル風であり
雨垂れの向かうは春の障子かな
寝坊して菱形餅をいただきぬ
はねつるべ竹の秋風あたりけり
くさふか・まさこ
昭和18年2月17日・大阪府生まれ
飯田龍太・原裕・大峯あきらに師事
平成29年「青草」創刊主宰・「晨」同人
句集に『青葡萄』『邂逅』『金剛』
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