昌子作品の論評     「風土」中根美保

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    現代俳句月評         中根美保


    一家みな一つ間にゐる良夜かな     草深昌子


  「俳壇」11月号〈臭木の実〉より

  いつもは夕食が済めばそれぞれの部屋に戻る家族なのだろう。

  月光あまねき名月の夜、誰が言うともなく一つの部屋に家族が集まっている。

  必ずしも月を皆で仰いではいないのかもしれないが、それぞれが清らかで満たされた思いに浸る。

  改めて「良夜」という季語の深さに気づかされる一句。


 (「風土」南うみを主宰 令和2年1月号所収)


by masakokusa | 2020-01-31 14:24 | 昌子作品の論評
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