「鳳」(主宰 浅井陽子)№30 男山の竹と答へて垣繕ふ 浅井陽子 おもてより裏明るくて朴落葉 貞許泰治
「獅林」(主宰 的場秀恭)№981 見えてなほ遙けし道や陽炎へる 的場秀恭 ひとひらにはじまる落花きりのなく 東 徹
「雲取」(主宰 鈴木太郎)№258 土筆食ひ平成の世のあと十日 鈴木太郎 今生の終章にして土筆煮る 下條杜志子
「八千草」(主宰 山本志津香)№90 貌鳥に遺文の束をあづけよか 山本志津香 冬館ラブラドールの名はピアノ 横川博行
句集『和顔』矢野景一 星一つ足りぬと梟鳴きにけり 彗星の尾の涼しさの山住まひ 蛍見にゆかむと白き髪洗ふ 呼んだかと妻の問ひ来る夜長かな とり分けて箸もその香の桜餅 「棒」(代表 青山丈)№3 天井を見てゐる春の昼ごろは 大崎紀夫 いま巴里にアイスクリーム二段盛り 西池冬扇
句集『にんげんに』 竹村半掃 うらうらや縄文人の耳飾り にんげんにすればいいやつ蝸牛 九月来るスクランブルの交差点 蒸し芋を頬張る朝や外は雨 大山の風湧くごとく初鳶
「ランブル」(主宰 上田日差子)№255 行く雲と同じ色なる春帽子 上田日差子 店蔵の梁をあらはに雛飾る 芦立多美子
「朴の花」(主宰 長島衣伊子)№106 綿虫の夕日の綿を鎧ひけり 長島衣伊子 煮魚の大きな目玉初しぐれ 八木次郎
「はるもにあ」(主宰 満田春日)№74 沈丁花植物園を出て匂ふ 満田春日 二つ三つ重ねてかろき絵凧かな 山口蜜柑
「松の花」(主宰 松尾隆信)№257 日脚伸ぶ机上の小さき窓に富士 松尾隆信 目刺焼く二連八尾や二人なり 岸 さなえ
「詩あきんど」(主宰 二上貴夫)№35 風吹かぬ焼芋日和でありにけり 二上貴夫 父の忌や空を真青に山眠る 佐野典比古
「俳句の風」(代表 西池冬扇)№26 鳥の声やみたる午後の夏木立 白石正躬 降り出して値の折り合へる植木市 椎名 彰
「大阪俳人クラブ」(会長 茨木和生)№161 山霊に石を供へて春祭 木塚真人 席詰めて呼び入れらるる日向ぼこ 尾崎晶子
「里」(代表 島田牙城)№190 裸木の幹をさするはさびしいか 島田牙城 遠ければ霞みて冬のうららかに 堀下 翔 「星雲」(主宰 鳥井保和)№49 寒鯉の錦の美しき底ひかな 鳥井保和 面頬をとれば湯気立つ寒稽古 澤 禎宣
「阿夫利嶺」(主宰 山本つぼみ)№266 畳紙にたたみこみたる花疲れ 山本つぼみ 繁盛の列や栄螺を焼く匂 吉里良夫
「晶」(代表 長嶺千晶)№28 読初やデッキチエアーに海展け 長嶺千晶 飛び石をそろそろ渡り柳の芽 金崎雅野
「ハンザキ」(主宰 橋本石火)№45 剪定の跡あらはなる枝垂梅 橋本石火 トンネルの小さき出口春日差 河本裕子
「鳳」(主宰 浅井陽子)№29 小袱紗を畳に拡ぐ余寒かな 浅井陽子 破れざるままに障子の黄ばみけり 貞許泰治
『名村早智子集』自註現代俳句シリーズ 浮御堂七夕竹の流れ着く この声は罠に掛かりし鹿のこゑ 足が出て手が出て蝌蚪に別れの日 表情を決めかねてゐる祭姫 夫に来る手紙少なし金魚玉 「玉梓」(主宰 名村早智子)№81 白木蓮の全部の花が咲いてゐる 名村早智子 生き生きと生きるひとりや実千両 藤野美奈子
「獅林」(主宰 的場秀恭)№980 盆梅や追伸をまた書き足して 的場秀恭 さびしらの空に道あり鳥雲に あめ・みちを
「秋草」(主宰 山口昭男)№113 まんさくにゴム手袋の男かな 山口昭男 蒲公英や踏切ひらくとき静か 水上ゆめ
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by masakokusa
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