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現代俳句管見 下條杜志子
そこらぢゆう煤けて兜飾りけり 草深昌子
(「青草」秋号)
この句の重心は中七の「煤けて」にある。
例えば合掌造りの旧家、どっしりとした柱や家具が煤けて長い歴史を物語る。
そしてそこに飾られる端午の兜は間違いなく次の世代の健在を示しているだろう。
電化の世に、この煤けた家屋に見る生きた暮しの証を大事にしたいものである。
ちなみに我が身辺に「煤ける」を知らない人も増えた。
(「雲取」2018年12月号所収)
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