貴重な御誌をご恵送賜り有難うございました。
「ににん」2018年冬号№69
坩堝から坩堝に移す葉鶏頭 岩淵喜代子
小春日や柱の影に女の子 川村研治
「ハンザキ」2018年1月号№29
もう捨つる気になつてゐる古暦 橋本石火
落ちさうで落ちぬカリンの実が幹に 神戸道子
「ランブル」2018年1月号№239 創刊20周年
着ぶくれて嫌ひが好きになることも 上田日差子
爽やかや風に奥行ある故郷 森 孝枝
「絵硝子」2018年1月号 22周年記念号
初明り目指すべき道しかと見え 和田順子
雪虫を連れて杜氏の来たりけり 平野暢行
「俳句饗宴」2018年1月号(第755号)
はじめての雪へ受話器を向けて妻 鈴木八洲彦
卒寿とは喜ぶべきか実南天 小岩よし子
「年輪」2018年1月号(733号)
鶏二忌の雨にまんさく二度咲きす 坂口緑志
火山列島一岳火噴き鷹渡る 駒木逸歩
「星雲」2018年1月号第41号
初鴨や一の鳥居は海に立つ 鳥井保和
背伸びして子の背を計る良夜かな 天倉 都
「梓」2018・1第29号
皿に鮭壁に高橋由一の鮭 上野一孝
健次忌の海暮るるまで泳ぐなり 堀本裕樹
「はるもにあ」2018年1月号第66号
噛みしめてアイヌ語といふ柳葉魚かな 満田春日
寒かろう皇帝ダリアのその高さ 松山ひろし
「里」2018年1月号№178
荒巻の箱紙ごみとして縛る 島田牙城
冬菜畑三つならびに建つ住宅 上田信治
「秋草」2018年1月号
綿虫の中へ入つてゆく体 山口昭男
北斎の波のうらがは秋寂びぬ 三輪小春
「舞」平成30年新年特別号№85
豊かなる父の欠伸や初湯殿 山西雅子
はるばる台風めがけて集まって無口 小川楓子
「玉梓」1・2月号
初時雨しばらく人の途絶えけり 名村早智子
船形の火を押す風や東より 松澤美智枝
「燦」2017年11・12月号
朝寒し星々いまだ夜を続け 山内利男
踊子となりて見上ぐる指の先 後藤一郎
「パピルス」創刊号2018年1月(春号)
吾亦紅一誌を興すこころざし 坂本宮尾
小机の月のひかりに手をのせる 栗島 弘
「鳳」23号
やうやうに灯りに馴染み初暦 浅井陽子
縄張りの中に我が家も冬の鵙 田和三生子
「大楠」20周年記念特別号 1月号
二十周年迎ふる初日受けにけり 川崎慶子
せせらぎの八瀬の里かな冬うらら 小坂保瑞
「阿夫利嶺」1月号
ことごとく絵馬濡れ根津に深む秋 山本つぼみ
そぞろ寒起居に触るるものなべて 小沢真弓
「松の花」1月号
色変へぬ松の真鶴岬かな 松尾隆信
行く秋や松葉一本づつに雨 横山節子
「獅林」2018年1月号№964
冬めくやどこでも停まる過疎のバス 的場秀恭
ゆりかもめ大河にはある中之島 森一心
季刊俳句同人誌「晶」SHOU №22
箱書を後生大事と後の雛 長嶺千晶
羅や月の色して畳まれぬ 嶋澤眞理