昌子月詠・神無月

   船降りて来たる足音秋彼岸
   人の手のどの榠樝にも及ばざる

   村人と朝寒の声かはしけり
   今をりし人ゐぬ水草紅葉かな

   鶺鴒の飛んで子供のころびたる
   寺に猫肥る障子を入れにけり

   堅田晴れ報恩講のお触れある
   道に曳く子供のおもちゃ菊日和

   残菊や少しはにかむ堅田の子
   初鴨の堅田にこゑをあげにけり

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by masakokusa | 2010-09-21 21:56 | 昌子月詠
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