小兵衛さんの日記

   草深先生の「かなたこなた」

 文心3号に草深昌子先生の句が10句掲載されている中から二句私のお気に入りを。

  清少納言に白花菖蒲ほどな恋      昌子
  白百合をかなたこなたや小石川     昌子


 白菖蒲でなく白い花菖蒲
 想いのレベルは白花菖蒲ほど
 清少納言のイメージを彷彿とさせる

 小石川というところは
 私の好きなチャンバラ知識では
 療養所とやらがあったところ・・・
 おそらく小石川植物園での
 白百合や白菖蒲なのだろう

 べたに詠むと
 小石川で白百合があちこちに咲いていた
 ということなのだが

 私なら
 「白百合をみるほどに酔ふ小石川」
 なんて具合になってしまうのだが

 「白百合をかなたこなたや小石川」
 となるとムードが一変 艶っぽくなる

 「白花菖蒲ほどな」といい
 「かなたこなたや」といい
 このフレーズの
 おしゃれな艶っぽいところが好もしく感じられる

 もう一句 『朴の花』夏号掲載から

  七夕の傘を真つ赤に開きけり     昌子

 夕立でもあったのか、日除けなのか
 七夕の笹飾りの前でぱっと開いた赤い花・・・

 「真っ赤に・・」のフレーズが
 これも艶っぽい

 艶やかでおしゃれな句を拝見できて嬉しかった
 真夏の清涼剤だ

(2007年8月16日mixiミクシイより)
by masakokusa | 2009-01-26 12:07 | 昌子作品の論評
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