カテゴリ:昌子作品抄( 54 )
私の一句
 
  花散るや何遍見ても蔵王堂       草深昌子


 「
晨」に入って初めて吉野吟行に参加させていただいた折の句。
 「俳句は自我を出したらアカンよ」と大峯あきら先生に教えていただいたのもこの日。
 ふと不思議を覚えた、その穏やかな物言いは、今もはっきり耳に残っている。

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(「晨」創刊200号記念特集・所収)
by masakokusa | 2017-08-01 23:59 | 昌子作品抄 | Comments(0)
第16回 長門・金子みすゞ顕彰全国俳句大会
とき   平成29年3月12日
ところ  湯本温泉 湯本観光ホテル「西京」
主催   金子みすゞ顕彰全国俳句大会実行委員会

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選者
  茨木和生・宇多喜代子・木割大雄・鈴木厚子・寺井谷子・小川軽舟


特別賞
  金子みすゞ大賞
   
      みすゞ忌の少女のやうなおばあさん     阿部友子

  NPO法人金子みすゞ顕彰会理事長賞

      寒禽の木から落ちたるやうに飛び     草深昌子

他、計12句


入選

      鴨を見て少しかなしきことを言ふ     草深昌子

他、計43句
が発表、表彰されました。


講演「鳥と俳句」
 講師 小川軽舟(「鷹」主宰)

by masakokusa | 2017-03-30 20:48 | 昌子作品抄 | Comments(0)
『俳壇』3月号 ・ 現代俳句の窓
                          
      毛 衣

                                        草深昌子
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       毛衣や三百年の松を前

       枯芝の青草勝ちに広きこと
 
       耳袋かけてお寺は素通りす

       二つ灯のついてうれしや冬座敷

       山茶花に透き通りたる硝子かな

       冬や実の草にまつくろ木にまつか

  
  (『俳壇』2017年3月号所収)
by masakokusa | 2017-02-28 23:57 | 昌子作品抄 | Comments(0)
詩歌句年鑑 2017      草深昌子(晨・青草主宰)
  
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   風の鳴るやうに虫鳴くところかな

   盤石を叩いて竹のばつたんこ

   蝌蚪の来て蝌蚪の隙間を埋めにけり

   門入ると襖外してゐるところ

   網戸より沖の一線濃く見たり


(ことばの翼 詩歌句 年鑑〔俳句〕2017 所収)
by masakokusa | 2017-01-09 11:07 | 昌子作品抄 | Comments(0)
「なんぢや」・四季の椅子〈招待席〉     草深昌子

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      汽車ぽっぽ              


   枯芝に据ゑて一両汽車ぽつぽ    

   おけさ柿食うて笑うて日短

   枯れにけりもののかたちをそこなはず



 文章家は、書くことがなければ「書くことがない」と書きなさいと言います。
 そこで、「書くことがない」と書くのですが、後が続きません。
 こんな時、手に取って励まされますのは、ご縁をいただいた『なんぢや』の情熱。
 榎本享代表はじめ皆さまのエッセイに、しんみりしたり笑ったり、どれだけ元気をいただきましたことか。
 あらためて、人生における邂逅の不思議に感謝しています。

(『なんぢや』・冬 35号所収)
by masakokusa | 2016-12-31 22:57 | 昌子作品抄 | Comments(0)
WEP『俳句通信』94号 ・ 実力作家7人競詠20句
      

          盤石                  草深昌子


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       盤石を叩いて竹のばつたんこ

       頬つぺたの赤い案山子はべべ着たる

       髪切つて首あらはるる花芙蓉

       蜩の座敷柱に凭れをり

       秋草にところどころの巨木かな

       その裏手遊園地なる竹の春

       蜻蛉の道に研屋の出てゐたる

       秋の日のかちりかちりとちりれんげ

       首塚の角を曲がれば花野かな

       花野行く靴脱げさうになりもして

       一穂の水引草にとどまれる

       鉄瓶のやうなる秋茄子の光り

       大山の麓のどこも落し水

       野分だつ茶房にビール飲んでをり

       花束を提げて野分を来りけり

       たっぷりと丈ありにけり穴まどひ

       小鳥来るこの街ぢゆうが古本屋

       東京に東京湾の露けしや

       秋風のどこを撫でても撫仏

       鬼城忌の雀黙つて飛びにけり



   草深昌子
   くさふか・まさこ

   昭和18年(1943)2月17日・大阪府生まれ
   昭和52年「雲母」入会
   「鹿火屋」同人を経て、平成12年「晨」(大峯あきら代表)に同人参加
   句集に『青葡萄』『邂逅』など


(平成28年10月14日発行WEP『俳句通信』所収)
 実力作家7人競詠7句
 佐藤麻績「坊津」・中村和弘「激流」・鈴木太郎「大文字の火」
 草深昌子「盤石」・染谷秀雄「近江の秋」・寺井谷子「白粥」・柴田佐知子「月光」
by masakokusa | 2016-10-31 23:59 | 昌子作品抄 | Comments(0)
『なんぢや』・四季の椅子〈招待席〉     草深昌子
 

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          一 巻                  草深昌子



   かなかなや一巻にして全句集

   掃苔の四人がかりでありにけり

   突堤に酔ひのまはれる蜻蛉かな



 缶ビールをプシュッと抜いて、グラスに注ぐときのときめきがたまらない。
 この、ときめきという生命の躍動はまた生命場の小爆発らしい。
 小爆発を繰り返して、その都度水位をあげていき、やがて死のクライマックスを迎え、ここで大爆発を起こして死の世界に突入するのだとか。
 我が哀れなるプシュッが、やがてドッカーンと果てるなら、それもまた最高。
 なんて早くも酔いが回ってきた。


(「なんぢや」2016秋34号所収)
*「なんぢや」代表 榎本享 発行所 明石市魚住町
by masakokusa | 2016-09-30 23:59 | 昌子作品抄 | Comments(0)
『なんぢや』 四季の椅子〈招待席〉     草深昌子
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        春 泥               


   のどけしや水に浮くもの沈むもの

   足の向くところかならず春の泥

   ぬかるんであれば梅散りかかりたり




 お笑い芸人の誰であったか忘れたが、お笑いは情報を沢山与えるのが親切と違いますねん、と語っておられた。
 人間ちゅうのは、話をスカスカにしておいた方がイメージがふくらむものらしい。
 削ぎ落とした部分はお客さんが補てんしてくださるのだというあたり、俳句にそっくりである。
 ならば、よき余白を楽しめるように、受け手の私はもっと柔軟であらねばと思い直したことだった。

(『なんぢや』2016春32号所収)
『なんぢや』・代表 榎本享 
by masakokusa | 2016-03-31 23:59 | 昌子作品抄 | Comments(0)
詩歌句・年鑑『俳句』2016
  

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                     草深昌子


       白南風や土蔵一つが生家跡

       雨の日は雨のこといふうすごろも

       秋風のこの一角は薔薇の咲く

       冬暖か地図のどこにも寺があり

       永き日の傾ぎに傾ぐ古木かな


(ことばの翼 「詩歌句」 2016所収)
by masakokusa | 2016-01-31 23:58 | 昌子作品抄 | Comments(0)
北溟俳句手帳 2016
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       紙ひねるごとくに蛇穴に入りぬ           草深昌子


(北溟社「俳句手帳」2016所収)
by masakokusa | 2016-01-31 23:58 | 昌子作品抄 | Comments(0)