『琅玕」(手塚美佐主宰)・読書室     村田修太

 句集『邂逅』草深昌子
 
 昭和18年大阪市生まれ。昭和53年植村通草に師事。「雲母」に入会。昭和60年「鹿火屋」入会。昭和63年鹿火屋新人賞受賞。鹿火屋同人。平成11年原裕主宰の逝去に伴い、「鹿火屋」退会。平成12年「晨」同人。「ににん」同人。俳人協会会員。
 本書は著者の第二句集である。原主宰亡き後に、「晨」の大峯あきら氏、山本洋子氏らに多くの示唆を与えられたとある。また岸本尚毅氏が「ありがたいことに私の俳句仲間には俳句の上手な人が多い」と栞を書いている。読んで得する句集である。

  引っ張れば伸びる耳朶露けしや
  秋風の赤子に眉の出できたり
  河馬は濡れ象は乾きし冬日向
  はつゆめのにぎりこぶしをひらきけり
  たれよりも靴を汚してあたたかき
  笑まふとき全円となる海月かな   
                
  
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 (平成15年8月1日発行「琅玕」平成15年8月号 p33所収) 
by masakokusa | 2007-02-16 22:54 | 『邂逅』書評抄録1
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