俳句四季 2018年1月号

作品十六句

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くさびら       草深昌子


   秋晴の大きな松の影にゐる

   桟橋といふほどもなき野菊かな

   月明の魚の背びれの出て泳ぐ

   銀杏のにほひに猿の綱渡り     

   秋晴を泣いて赤子の赤くなる

   団栗の袴脱いだり脱がなんだり

   秋の蠅輪ゴム跨いで来たりけり

   秋風にいちいち鯉は口ひらく

   説法の跡はここらの秋の蜂

   一行にはぐれやすくて草虱

   秋雨の林の径を深くしぬ

   古町や橋がここにも蚯蚓鳴く

   くさびらのべつたりとして根方なる

   草の実に立たせたる子のもの言はず

   にほどりの目のあさましき冬隣  

   屋根に鳩廂に鳩や秋出水



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(俳句四季出版「俳句四季」1月号所収)


by masakokusa | 2018-01-31 23:50 | 昌子作品抄 | Comments(0)
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