近ごろ気になる一句・「なんぢや」2017夏37号
   草深昌子句集『金剛』より

f0118324_11202833.jpg



    峰雲や蠅の頭の臙脂色      草深昌子


 入道雲の白、夏空の青。
 「峰雲」という背景は書割のようだ。
 舞台に蠅がいて、暑い日ざしを受けている。その蠅の臙脂色の大きな眼に注目した。
 頭という表現は一瞬の印象を大事にしたのだろう。
 季重なりにこだわっていたらこうした句は生まれない。
 この時期、嫌われそうな蠅、虻、蜂、蚊など、夏は人と共に息づく虫でいっぱいだ。

(鈴木不意)

(平成29年6月1日 季刊 なんぢや「夏」37号 発行人榎本享 所収)
by masakokusa | 2017-06-30 23:52 | 昌子作品の論評 | Comments(0)
<< 草深昌子句集『金剛』・書評抄録... 草深昌子句集『金剛』・書評抄録... >>