平成22年4月~昌子週詠 

     4月26日(月)

          風船の割れんばかりに光りけり
          さくらしべ降るや艪臍のあからさま
          花は葉に舟の揺れたるやうに揺れ
          船頭のしはがれごゑの春惜しむ
          木の舟に木の櫓をつかふ暮春かな
          檻に見て鸚哥の恋の熱きこと
          赤ん坊と八十八夜の舟にゐる


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 4月19日(月)

          奥つ城のほかは春田でありにけり
          水塚(みづか)とは芽立ちの大いなるところ
          蟻塚に落花一片立ちてあり
          芳しき草に蟻塚十あまり
          どの橋も短く細く長閑なり
          くるぶしをかへして土筆摘みにけり
          棕櫚竹に来ては風鳴る遅日かな


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     4月12日(月)

          蝶々の飛んでその辺緑なる
          水のあるかぎりにお玉杓子かな
          かすかにも魚の匂ひの蝌蚪の水
          子規思ふたびに草餅さくら餅
          片栗に立って男の後ろ向き
          片栗に一書開かんこころかな
          赤に濃くみどりにうすく芽ぐむもの


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     4月5日(月)
   
          波際にほどなき若布干し場かな
          和布刈舟かへりきたれば子の跳ねて
          和布干すつひぞ子どもにかまはざる
          髪長く肩に乗りたる春の潮
          浜砂を掬へる指のうららかな
          書架にして二階の窓や呼子鳥
          夕きぎす鋏をつかふやうに鳴き


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by masakokusa | 2010-04-05 00:06 | 昌子週詠 | Comments(0)
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