平成21年11月~昌子週詠 

     11月29日(月)

          大雨の宿りを室の花のもと
          葉は赤く花は瑠璃なり室の花
          室に咲く花にともしび明くしぬ
          壁なくて柱ありける柞かな
          深大寺そばがどこにも雨冷た
          石燈籠よりも濡るるは花八ツ手
          喧しき鴉に園の枯れゆくか
  

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  11月23日(月)

          開け閉ての電車ごつこの障子かな
          あかあかと十一月の実のこぼれ
          焚火してあたる人なき漁港かな
          親指のおろそかならぬ蜜柑剥く
          年嵩の女の暖房嫌ひかな
          冬麗や犬の引きゆく人の顔
          枯野行くわれに背中のありにけり


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     11月16日(月)
  
          立冬をきのふにしたる銀座かな
          日の丸の小旗通りも小六月
          歌舞伎座や十一月の水打つて
          寒菊のここなる銀座発祥地
          室咲きの茶房に段差ありにけり
          かのセーター赤し歩行者天国
          七五三帰りのみゆき通りかな


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     11月9日(月)

          宮ケ瀬の瓜田家の天高きこと
          木の家に吸うて木の香や秋深し
          一木に一輪小春日和かな
          木の葉髪赤いリボンのつけどころ
          まただるまさんがころんだ花野かな
          秋逝くや吊橋高く細長く
          人々の総じて黒き冬に入る


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     11月2日(月)

          母逝きて秋の蝶々ふえにけり
          思ふたび母生きてゐる野紺菊
          まなじりにひきゆく日差し旗薄
          かなしさはきちきちの糞しぼりたる
          鳥渡る木々のてつぺん細りけり
          五位鷺の流し目釣瓶落しかな
          秋深む小鍋を買うてきたりけり
   
       

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by masakokusa | 2009-11-01 22:00 | 昌子週詠 | Comments(0)
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